文 グリム童話
絵 フェリクス・ホフマン
訳 せたていじ
発行 福音館書店
初版 1967/4/1
対象年齢 4歳から 自分で読むなら小学校中級向き
文字の量 やや少なめ~やや長め
ページ数 32
発行部数 105万部(2014時点)ミリオンぶっく
オススメ度 B
皆さんご存知と思いますが、有名なグリム童話です。
7匹のこやぎ達のお母さんは、ある日町へ買い物に行くために、こやぎ達に留守番を頼みます。
でも心配なのは、おおかみのこと。お母さんは、おおかみを声と足の色で見分けるように言い聞かせて、おおかみが来たら絶対に扉を開けないように念を押して出かけます。
そしてやはり、留守を狙っておおかみがやってきます。最初の内、こやぎはお母さんの言いつけ通り声と足の色でおおかみを見分け家の中へ入れさせませんが、おおかみはその都度対策を練って、とうとうこやぎ達をだますことに成功します。
お母さんが帰ってくると、家の中はひどい有様でこやぎ達はいません。しかし声をかけていく内、末のこやぎだけが見つかりました。末のこやぎの言う事には他のこやぎ達はみんなおおかみ食べられてしまったと言うのです。
あまりに有名な話なので大人は食いつきが悪いかも知れませんが、読み聞かせると子どもはどきどきしながら楽しんで聞いてくれますね。表紙の絵は一見楽しそうな雰囲気に見えますが、こやぎ達がおおかみにだまされて家の入口のドアを開けようとしているところです。上に見える白い足はおおかみが偽装したものです。表紙でもうこれですからね、この作品はまさに子どもにとってのサスペンスドラマなんじゃないでしょうか。でも最後は大好きなお母さんとの平和な夜を迎え、安心して幕を閉じます。
私は思ったんですけど、「知らない人についていっちゃいけません」っていう教育にも使えるのじゃないかと。おおかみはあの手この手を使ってこやぎをだまします。そういう悪い者もいるから、だまされないように、という教訓にもなりうると思います。
親御さんによっては若干気になるかも知れない表現があるのでご紹介します。まず、お母さんやぎがおおかみの腹をハサミで切る場面。全然グロテスクな表現ではありませんが、気になる方は気になるかも。
もう一つ、おおかみが死んだ時に、喜びのあまりみんなで踊りだす場面。憎いおおかみとは言え、死を前にして踊るというのは…と感じる方もおられるでしょう。グリム童話らしいと言えば、らしいところです。
少し文章の長いページがあります。きれいでリズムのよい文章です。小さい子向けの単純な絵本を卒業しつつある子どもにちょうどいいと思います。
絵はややリアルに描かれていて、やぎなんかはあまりかわいい感じではありません。ちょっとシュールと言えばそうかも。でもこれがグリム童話には合ってる気がします。
ページのレイアウトや絵の構図もさりげなく凝っていて、緑・黄色・茶色を基調とした落ち着いた色使いがいいです。異国の雰囲気もあって、子どもの記憶に残るのではないでしょうか。
裏表紙には壁に掛けられたやぎの写真でしょうか絵でしょうか、ポツリと描かれています。これはもしかしたらお話の中には出てこないお父さんやぎかも知れません。さらにもしかしたらお父さんは過去におおかみに食べられてしまったのかも知れません。想像するしかありませんが、そんなところも類書に比べて奥行きが感じられます。
絵 フェリクス・ホフマン
訳 せたていじ
発行 福音館書店
初版 1967/4/1
対象年齢 4歳から 自分で読むなら小学校中級向き
文字の量 やや少なめ~やや長め
ページ数 32
発行部数 105万部(2014時点)ミリオンぶっく
オススメ度 B
おおかみと七ひきのこやぎ のあらすじ・内容
皆さんご存知と思いますが、有名なグリム童話です。
7匹のこやぎ達のお母さんは、ある日町へ買い物に行くために、こやぎ達に留守番を頼みます。
でも心配なのは、おおかみのこと。お母さんは、おおかみを声と足の色で見分けるように言い聞かせて、おおかみが来たら絶対に扉を開けないように念を押して出かけます。
そしてやはり、留守を狙っておおかみがやってきます。最初の内、こやぎはお母さんの言いつけ通り声と足の色でおおかみを見分け家の中へ入れさせませんが、おおかみはその都度対策を練って、とうとうこやぎ達をだますことに成功します。
お母さんが帰ってくると、家の中はひどい有様でこやぎ達はいません。しかし声をかけていく内、末のこやぎだけが見つかりました。末のこやぎの言う事には他のこやぎ達はみんなおおかみ食べられてしまったと言うのです。
おおかみと七ひきのこやぎ の解説・感想
あまりに有名な話なので大人は食いつきが悪いかも知れませんが、読み聞かせると子どもはどきどきしながら楽しんで聞いてくれますね。表紙の絵は一見楽しそうな雰囲気に見えますが、こやぎ達がおおかみにだまされて家の入口のドアを開けようとしているところです。上に見える白い足はおおかみが偽装したものです。表紙でもうこれですからね、この作品はまさに子どもにとってのサスペンスドラマなんじゃないでしょうか。でも最後は大好きなお母さんとの平和な夜を迎え、安心して幕を閉じます。
私は思ったんですけど、「知らない人についていっちゃいけません」っていう教育にも使えるのじゃないかと。おおかみはあの手この手を使ってこやぎをだまします。そういう悪い者もいるから、だまされないように、という教訓にもなりうると思います。
親御さんによっては若干気になるかも知れない表現があるのでご紹介します。まず、お母さんやぎがおおかみの腹をハサミで切る場面。全然グロテスクな表現ではありませんが、気になる方は気になるかも。
もう一つ、おおかみが死んだ時に、喜びのあまりみんなで踊りだす場面。憎いおおかみとは言え、死を前にして踊るというのは…と感じる方もおられるでしょう。グリム童話らしいと言えば、らしいところです。
少し文章の長いページがあります。きれいでリズムのよい文章です。小さい子向けの単純な絵本を卒業しつつある子どもにちょうどいいと思います。
絵はややリアルに描かれていて、やぎなんかはあまりかわいい感じではありません。ちょっとシュールと言えばそうかも。でもこれがグリム童話には合ってる気がします。
ページのレイアウトや絵の構図もさりげなく凝っていて、緑・黄色・茶色を基調とした落ち着いた色使いがいいです。異国の雰囲気もあって、子どもの記憶に残るのではないでしょうか。
裏表紙には壁に掛けられたやぎの写真でしょうか絵でしょうか、ポツリと描かれています。これはもしかしたらお話の中には出てこないお父さんやぎかも知れません。さらにもしかしたらお父さんは過去におおかみに食べられてしまったのかも知れません。想像するしかありませんが、そんなところも類書に比べて奥行きが感じられます。
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