文 竹下文子
絵 鈴木まもる
発行 金の星社
初版 2005/1/
対象年齢 3歳から
文字の量 かなり少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 A
つみきでとんとん のあらすじ・内容
子ども(こびと?)達が積み木で遊びます。自分たちの頭や体と同じくらいの大きい積み木のパーツを使います。
最初は2つの円筒と長い板を使ってベンチを作ります。3人が座れる大きさです。
次はそのベンチにさらに積み木を追加して、キリンができました。
その次はもっとたくさんの色んな形の積み木を使ってとても大きいものを作り始めました。家かな?車かな?お城かな?船かな?そばでさっき作ったキリンが様子を見ています。
できあがったのは、大型恐竜のような大きさの怪獣『積み木ザウルス』でした。積み木ザウルスが歩き始めました。子ども達を追いかけてきます。子ども達は積み木ザウルスの前方に積み木で壁を作り、通行止めにしようとします。
しかし壁が完成して大丈夫かと思ったら、積み木ザウルスが壁を壊して、自身もバラバラに壊れてしまいます。
もう一度最初からやり直しです。子ども達は積み木ザウルスの残骸をベースにさらにもっともっと大きなものを作り始めました。
夢があり、ドキドキもある、楽しいお話です。
つみきでとんとん の解説・感想
同じ作者の『せんろはつづく』と同じ子ども(こびと?)達が登場します。
積み木で作ったきりんや怪獣などが動き出すので、若干ファンタジーなところもあります。
積み木の楽しさがわかる
短いお話の中に、積み木の楽しさが詰め込んであります。積み木に馴染みのない子どもでも積み木ってこうやって遊べるんだなというのがわかってもらえるかと思います。
- 色んなものが作れること。積み木は色んな形のパーツがあり、それを組み合わせれば想像力身任せて何でも作れます。
- 大きなものも作れること。パーツを沢山使えば大きなものも作ることができます。自分より大きなものだって作れます。これは楽しいでしょう。
- いっぱい作れること。例えば色んな動物をいっぱい作って動物園みたいにすることもできます。お家をいっぱい作って町にすることもできます。
- 何かを作ったら、それを別の角度から見て、もっと違うものへ発展させることができること。本作の中ではベンチから今度はいきなりキリンに変身させてましたね。
- 壊す快感。これを忘れちゃいけません。壊すのもまた楽しいものです。
- 壊れてもまた作り直せること。壊れれてもゲームオーバーじゃないんです。もっと面白いものを作れるかも知れません。
積み木を楽しむキッカケにも
積み木って立体を立体としてつかんだり、想像力と創造力を育むのにとてもいいと思うのですけど、子どもにしてみれば突然つみきを渡されて、何か考えて作れと言われても、最初はなかなか馴染みにくいと思うんですよね。この本では最初ベンチからスタートします。最初はそんな単純なものからでしょうし、これを真似して違う形のベンチを作ってもいいし、または机とか作ってもいいでしょう。お家の中のものを作っていけばお人形さんごっこにも使えるかも知れません。とにかく、積み木を楽しむ最初のいいきっかけになればいいんじゃないかなと思います。積み木が好きな子どもは喜ぶでしょうし、そうでない子どもには積み木への興味が生まれたらいいですね。
積み木の怪獣が動き出して、それを何とか止めようとするエピソードは、ウチの子どもに大ウケでした。問題に対してもあくまで積み木で対処しようと知恵を絞るのが面白いですね。実際の積み木遊びでもそんな風に想像を膨らませていけたら楽しいでしょうね。
文章はほんのわずかで、リズミカル。お話もシンプルです。3歳より小さい子でも楽しめるかも知れません。
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