文 せなけいこ
絵 同上
発行 ポプラ社
初版 1975/2/
対象年齢 3歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明。1995年4月時点で35刷
オススメ度 B

めがねうさぎ のあらすじ・内容


うさぎのうさこは、目が悪くなったのでメガネを買いました。

ところが、山へ遊びに行った時にメガネを落としてしまったらしいのです。仕方なく夜中に山へメガネを探しに行きますが、山ではオバケが、誰かを驚かせてやろうと待ち構えていて…

うさこに振り回されるオバケの様子が楽しいお話です。

めがねうさぎ の解説・感想


うさこの天然ぶりと大胆な行動力。最強です。それに対して、かわいいレベルの悪意を持ちつつもちょっと抜けたところのあるオバケ。このキャラクターが、楽しいストーリーの源泉になっています。

オバケはあんまり怖くないですよ。このオバケは人を食べたり、どこかに連れ去ったりするのではなく、あくまでも驚かすのが目的なのです。オバケの気持ちや考えも描写されているので、わからないが故の怖さというのは薄らぐと思います。怖がりの子どもには、オバケに馴染む(?)きっかけになるかも。

絵はかわいい貼り絵。手作り感覚で親しみやすいです。

オバケはうさこを驚かせてやろうと近づいているのであって、決して親切なオバケではないのです。そしてうさこはその天然さ故に親切と勘違いしてしまうのです。3歳だとそこのところを理解できない子もいるかも知れませんね。そこがわからないと、うさこの天然ぶりとそれに振り回されていいところなしのオバケの対比が見えてこないので、面白さは半減してしまうかも。その点では、姉妹作『おばけのてんぷら』の方が楽しみやすいと思います。『せなけいこ』のタグからどうぞ。