文 馬場のぼる
絵 同上
発行 こぐま社
初版 1972/11/10
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 40
発行部数 91万部(2010時点)ミリオンぶっく
オススメ度 A

11ぴきのねことあほうどり のあらすじ・内容


11ぴきのねこがコロッケ屋さんをはじめて大繁盛。売れ残ったコロッケは店じまいの後にみんなで食べていましたが、さすがに毎日コロッケでは飽きてきて、鳥の丸焼きが食べたいなぁと言い出します。

そこへ一羽の旅のあほうどりがやってきて、コロッケが食べたいと言います。ねこ達は、舌なめずりを隠しつつ、あほうどりにコロッケを食べさせてあげますが…

11ぴきのねことあほうどり の解説・感想


第一作『11ぴきのねこ』同様に、ユーモアと迫力が楽しい作品です。やっぱり面白かったです。子どもも喜んでいました。私はどちらかと言うと一作目よりこの二作目の方が好きですね。

今回は若干ブラックなユーモアも含まれます。食べてやろうという意図を隠してあほうどりに親切にする辺りは、ねこの狡猾さが出ています。でもウチの子どもはその点を完全には理解していなかったみたい。そこがわからないとラストのオチも面白さは減るでしょうが、まあわからなくても、十分楽しめます。

途中で、あほうどりの兄弟の最後の巨大な一羽が今までの展開をぶち壊すようにドーンと現れて、これが大ウケです。これは子どもが喜ぶでしょうね。志村けんのコントで最後にメチャメチャになって終わる時のあの雰囲気です。

数を数える、モノによって数え方が違う、ちょっぴり掛け算の概念が出てくる等、さりげなくお勉強の要素も盛り込まれています。

お話のイメージそのままに、のほほんとして、楽しそうな、マンガの絵がいいです。

読むとコロッケが食べたくなる副作用があります。でもお話にコロッケを使ったのはいいですね。B級で親しみやすい感じがこのお話にぴったりです。

ミリオンぶっくの冊子によると、この『11ぴきのねことあほうどり』ができあがるまで、5年もの歳月がかかったそうです。馬場のぼるさんは「ファンの期待にこたえられいものはだしたくない」というお考えだったそう。こうしてできた第二作は、細かいところにも、子どもが喜んでくれるようにというお気持ちが感じられます。