文 わかやまけん
絵 同上
発行 こぐま社
初版 1972/10/
対象年齢 0歳から
文字の量 かなり少なめ
ページ数 22
発行部数 258万部(2014時点)ミリオンぶっく
オススメ度 A
しろくまちゃんのほっとけーき のあらすじ・内容
しろくまちゃんがお母さんとホットケーキを作ります。
どんな材料を使って、どんな手順で作るのか、ちゃーんと描かれています。
多少の失敗はありますが、美味しそうなホットケーキが出来上がります。
それを友達のこぐまちゃんと一緒に食べます。最後は二人でお皿を洗っておしまい。
しろくまちゃんのほっとけーき の解説・感想
ままごとや実際のホットケーキ作りへの発展もまた楽しい
<子どもってお料理を作る過程に結構興味持つんですよね。おままごとの感覚なのでしょうか、ウチの子もそうでした。しろくまちゃんと一緒に、作る真似をしたりしました。親子で一緒に実際にホットケーキ作りをやってみたらもっと楽しくなると思いますよ。
焼き上がるまでのリアルな描写
この本の一番の山場は、ホットケーキの生地をフライパンに乗せてから焼きあがるまでを、見開き2ページに渡って連続12カットで見せているところ。擬音語擬態語と色の変化で生地がだんだんホットケーキになっていく様子が順を追って見られるようになっています。どういう描写なのかまだよくわからない子でも、擬音語擬態語によって何だかワクワク楽しい雰囲気にさせられそうです。モノを見る、観察するという事がどういう事なのか、擬似的に体験できるのもこどもにとっていい気がします。
ミリオンぶっくの冊子によると、この本の制作スタッフは会社に七輪を持込み、何枚もホットケーキを焼いて、その様子を観察したのだとか。こんなにシンプルな絵なのに美味しそうに感じるのは、そういう背景があるからなのかな。
食べる幸せ、共感する幸せ
そうやって作る過程で盛り上がったところで、仲良しのお友達と一緒に楽しく会話をしながらホットケーキを食べるんです。幸せ感いっぱいです。それと食後に洗い物をしながらお友達と「美味しかったね」と言い合うところに他者との共感があって、やっぱり幸せ感があっていいのです。
絵はできれば…
絵は、とてもシンプルで色鮮やか。小さい子には見やすいかも知れません。
ただ私としては、赤や黄系統の色が多用されており、もう少し落ち着いた色も使って欲しかったなというのと、登場人物にもっと表情をつけてもらいたかったな、と思います。でもこの絵柄ならこどもがクレヨンで真似して書くこともできるかもしれないし、もしかしたらそういう狙いがあったのでしょうかね。
本書の狙い
あとがきにはこの絵本の狙いがまとめられていました。子どもがこの絵本を開いて歓喜する姿を想像して作られたそうです。子どもに喜んでもらうポイントは3つあげられています。
①大きなホットケーキを食べるうれしさ②ホットケーキができる過程への興味③自分でつくるということの魅力
いずれも十二分に達成されていると思います。だからこそロングセラーになっているのでしょう。
この絵本のように料理を作る過程を描いた絵本は根強い人気があります。もう少し大きくなって年中さん年長さん位になったらこちらの絵本もおすすめですよ。 → 『ばばばあちゃんのなんでもおこのみやき』
料理に関する絵本を他にもご紹介しています。(ただ本作よりももうちょっと大きい子向けの本が多いですが…) → タグ『料理』
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