文 林明子
絵 同上
発行 福音館書店
初版 1986/6/
対象年齢 0歳から
文字の量 かなり少なめ
発行部数 153万部(2014時点)ミリオンぶっく
オススメ度 A

おつきさまこんばんは のあらすじ・内容


夜になっておつきさまが出てきました。

雲が現れておつきさまが隠れてしまいます。

でもすぐにまたおつきさまが出てきてニッコリ。

おつきさまこんばんは の解説・感想


ウチのこどもに初めて買ってあげた絵本です。数あるファーストブックの中でも私が一番おすすめしたいのがこれです。

シンプルなストーリーに優しい絵柄。おつきさまという題材もこどもが親しみやすいです。身近なものだし、まん丸なものは安心感があるのか子どもに好かれますからね。

ストーリーは概要に書いた通りです。時間にしてほんの数分の出来事。それを8つのコマで描いています。大人の感覚だと、おつきさまが出て、雲に隠れて、また出てきて…と3コマで終わってしまいそうですが、それは前提となる知識があるからなのかも。知識の少ない小さな子どもにわかってもらうにはこの8コマがちょうどいいのかも知れません。実際それぞれのコマには子どもにとっての小さな驚き・発見があるのです。因みに最初のコマは夜になって空が暗くなったところ。大人にとっては夜暗くなるのはあまりにも当たり前ですが、小さい子どもにはそれ自体が一つの驚き・発見になるのですね。小さい子どもに寄り添った本なんだなと感じました。

おつきさまにはセリフはありませんが場面に応じて色んな顔の表情があります。小さい子どもはお父さんお母さんの顔の表情から人間の感情というものを学んでいくのかな。そしてこの絵本を見たこどもはセリフの代わりに表情でおつきさまの事を理解していくのかなと思いました。

言葉がまだわからなくても大丈夫。感情たっぷりに読んであげたらいいと思います。そのお父さんお母さんの読み聞かせの声のニュアンスと絵から子どもは何かしらを感じるでしょう。そしてこどもの反応を受け止めてそれにうなずいてあげる。そういうキャッチボールのような親子のコミュニケーションが楽しめる本だと思います。

裏表紙にあかんべーをしているおつきさまの顔があって、こどもはこれも喜びます。これ、何かの本で読んだのですが、表の表紙は目をつむってすましているおつきさまで、裏表紙はあかんべー。表と裏で『いないいないばあ』になるようにできているのだそうですね。正確に言うと『いないいないべー』かな。サービス精神旺盛な本ですね。

この本は林明子さんのあかちゃん用絵本セット「くつくつあるけの本」の中の一つです。もちろん単品でも購入できます。

その他の林明子さんの作品のご紹介は、すぐ下の『林明子』のタグからどうぞ。