文(なぞなぞ) 石津ちひろ
絵 なかざわくみこ
発行 偕成社
初版 2011/9/
対象年齢 5歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 23
発行部数 不明
オススメ度 B

なぞなぞのみせ の内容


なぞなぞの本です。お話の本ではありません。

文房具屋さんから始まって、衣料品店、時計屋さんなど9種類のお店と自宅の居間、合わせて10のシチュエーションそれぞれに5つづつのなぞなぞが設定されていて、合計51題のなぞなぞが楽しめます。

なぞなぞのみせ の解説・感想


女の子とお母さんが商店街のお店を回ってお買い物をするような設定になっています。最後に自宅に帰って来たシチュエーションの絵には「あっこれはあそこで買ってきたんだな」とわかるようなものが色々描かれています。それを見つけるのもまた楽しいでしょう。

見開き2ページの左ページにはなぞなぞが5題書いてあり、右ページにはお店の様子が絵になっています。なぞなぞの答えがわからない時は右のページをよーく見回すと答えが必ず描かれています。と言うか、絵があることで答えのカテゴリが限定されるので、なぞなぞと絵がセットになって初めて問題として成立しているような感じもしますね。純粋ななぞなぞとはちょっと違うかも知れません。なぞなぞというよりもクイズに近いかも。そこが特徴です。純粋ななぞなぞをしたいなら本書ではなく、絵本でない専門の子ども向けなぞなぞ本を購入された方がいいと思います。でもこどものなぞなぞ入門としては、この形式は面白いと思います。もちろん本の最後の方に正解がちゃんと提示されています。

なぞなぞの難易度は、こどもでも簡単にわかるものもあれば、大人でも右ページの絵がないとなかなかわからないものもあります。

すみずみまで細かく描かれた、昭和の香りのする絵を見ているのも楽しいです。お母さんと女の子が一緒に各店を買い物する趣向になっています。ただ輪郭のハッキリしない感じの絵柄なので、こどもへのヒントとしてはもう少し見やすい絵の方がいいのでは?と感じました。

なぞなぞって右脳も左脳も必要ですよね。楽しめて頭のトレーニングにもなって、とってもいい遊びだと思います。大人にとってもね。

石津ちひろさんの「なぞなぞのxx」という本は、他の出版社も含めて数冊出ているようです。いずれも問題と絵がセットになった形式です。他の作品も少し見てみたのですが、私は若干難ありという印象を受けました。問題の設計に曖昧さがあって、答えが完全に一つに絞りきれていなくて、本の提示する正解と違うこんな答えでも不正解とは言えないんじゃないの?とか、問題の文章表現が勘違いを誘う可能性があったりとか、答えは想像できたけどそんなのは絵の中にみつからないがなぁと思ったら実は判別できないような小さな絵だったとか、そういうことが時々あります。だから正解を教えられても、「なんだそっかー!」というアハ体験にならなくてモヤモヤが残ってしまいます。実はこの種の問題はこの「なぞなぞのみせ」にも見られます。ただ、他の作品に比べるとだいぶ少ない気がしました。気になる方は事前にチェックされた方がいいかも知れません。