文 村山桂子
絵 織茂恭子
発行 福音館書店
初版 1985/6/1
対象年齢 3歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B

おかえし のあらすじ・内容


たぬきの家の隣にきつねが引っ越してきました。きつねの奥さんはかごいっぱいのイチゴを持って挨拶に行きます。たぬきの奥さんは「これはこれはごていねいに」と喜んで受け取ります。

喜んだたぬきの奥さんは「なにかおかえししなくちゃ」と、そのおかえしとしてたけのこをきつねの奥さんに持っていきます。

今度はきつねの奥さんが「おかえしのおかえしです」として花と花瓶を持ってきました。

その次はたぬきの奥さんが「おかえしのおかえしのおかえしです」と絵と壺を持ってきました。

まだまだ続くおかえし。最後はいったいどうなっちゃうのでしょうか。

おかえし の解説・感想


子どもにウケましたよ


この本を読み聞かせた時はこどもが大爆笑でした。

そう言えば私もこどもの頃に、ご近所のお付き合いでおかえしをし合ったらキリがなくなるのではないかと想像してたような気がします。まんまそういうお話です。

おかえし合戦はヒートアップしていきます


何が面白いって、最初の内は普通のおかえしなのですが、段々差し上げるものがなくなってくるとおかえしの内容がどんどんヒートアップしていきます。だって既におかえしのおかえしで花と花瓶を持っていく時点でもう家の中のものに手を付けてしまってるんですよね。「え~っこんなものを~」ってものがおかえしで出てきてこどもも驚きつつ楽しんでいました。こういう展開になってくるとラストはまあ勘のいい大人なら想像はつくかも知れませんが、これもこどもにはとてもウケていました。落ち着くところに落ち着いたと言っていいのかな(汗)最後はとても平和な終わり方でした。これはこれでいいのですが、別のパターンとして最後にそれぞれのご主人が帰ってきても面白かったかも。

長い繰り返しは鉄板


あと、段々お話が進むに連れて、おかえしを渡す時の口上が「おかえしのおかえしのおかえしの…(以下続く)のおかえしです」と長くなっていきます。これを私が一生懸命読むのがまたこどもにとって楽しいみたい。読む方は大変ですけどね。

大人の会話は面白い


「これはこれはごていねいに」とか「さきほどはけっこうなものを」とか「ほんのつまらないものですが」とかご近所付き合いのベタな表現が出てくるのですが、そういうのも子どもにとってはなんだか面白いみたいですね。

対象年齢について補足


本には『3歳から』と書いてあったので3歳からとしましたが、おかえしというものにある程度の理解があった方がより楽しめると思うので、子どもによっては4歳、5歳位の方がいいかも知れないかな。でも逆にあまり大きい子だと一回読めばもうネタがわかっちゃって熱狂は最初だけってことにもなりかねないですね。