1.心と頭がすくすく育つ読み聞かせ(やっていいこと・やってはいけないこと)




読み聞かせのノウハウ本です。プロの読み聞かせのようなレベルではなくて、お父さんお母さんが参考になるノウハウです。内容のすべてが、こどもにとってこんな効果があるからこうしてあげた方がいいですよ、という説明になっていて、スッと腑に落ちます。

読み聞かせをしている最中にこどもが別の本を持ってきて「これ読んで!」と言ってきたらどうするか、等々。対応を間違ってしまいそうな数々のシチュエーションに関する説明が載っていて参考になりました。

第一章が読み聞かせの効果と目的、第二章が効果の高い読み聞かせの方法、第三章がやってはいけないこと、第四章が選んではいけない本、第五章がおすすめの本、という構成になっています。

2.絵本の記憶、子どもの気持ち




著者は過去に児童図書館の仕事をされて、大学の非常勤講師をされています。この本はその大学の学生に対して出した課題を元に書かれています。その課題とは、幼いころに好きだった絵本や思い出に残っている絵本についてまとめるというものです。

この課題を通して、こどもが絵本をどのように楽しむのかが浮かび上がってきます。そしてそれによって大人が読ませたい本あるいは喜ぶだろうと思った本とこどもが面白いと思う本との間にズレがあることも見えてきます。

私自身もかつてこどもだったはずなのに、こどもがこんなにも絵本の世界に入り込んでいることに驚き、また目頭が熱くなりもしました。お父さんお母さんにおすすめの本です。

3.こどもはみんな問題児。



ぐりとぐら、トトロの主題歌などでお馴染みの中川李枝子さんの著作です。絵本に関する記述も少々ありますが、中川さんが保育園勤務時代にこどもについて感じたことを思いつくままに書いたエッセイのような感じの本です。それほどボリュームもなくさらっと読めます。

保母さんの経験から来るこどもという存在の捉え方、対応についての記述に、いくつもの気付きを得ました。こどもの最高の褒め言葉というものがあるとしたら、それは「よい子」等ではなく「こどもらしい子」であろうという考えが腑に落ちました。体系だったノウハウが書かれている本ではありませんが、子育てに追われて俯瞰の視点を失っているような時にふと何かを気づかせてくれるかも知れません。

数々のこどものエピソードは読んでて微笑ましいです。

4.絵本が目をさますとき




絵本作家で保母さんの経験もある長谷川摂子さんの著作です。若い母親へのアドバイスの手紙という形でこどもとの絵本の楽しみ方や絵本の魅力を語っています。ファーストブックの楽しみ方、物語のある本への移行、『ふざけてる絵本』や『キャラクターもの』の評論など内容は多岐に渡ります。読み聞かせの方法論の部分は、著者がそういう活動をされていた事もあって素人にはそこまでなかなか思いつけない位の奥深さがありました。

特に私が感銘を受けたのは、ファーストブックについて書かれた部分。こどもと一緒に絵本を楽しみつくす豊かな時間の過ごし方に感心しました。

あと、こどもが同じ絵本を何度も何度も読んで欲しいと言うのは、大人が気に入った音楽を何度も聞くのと同じだという記述に膝をうちました。なるほどな~

5.えほんのせかい こどものせかい




絵本作家で翻訳家、児童図書館館長など、絵本に関わるさまざまの仕事をしてこられた著者が、子どもの絵本への関わり方や、読み聞かせの方法、よい絵本の選び方などを紹介しています。詳細はこちらを御覧ください。

6.「どの絵本読んだらいいですか?」




書店で読書相談員として働かれたり、絵本アドバイザーとして活躍された著者が一般の親御さんに対して絵本に関する講演会をされた時の内容を文字に起こしたものです。読み聞かせで注意することや、子どもがどんな風に絵本の内容を受け取っていくか、絵本の選び方などを解説されています。詳細はこちらをご覧ください。