文 松野正子
絵 梶山俊夫
発行 童心社
初版 1988/4/25
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 A
概要
こども十人先生一人の山の小さな幼稚園。その裏山にこぎつねのキッコが母さんぎつねと住んでいます。
ある日キッコが幼稚園の様子を覗いていると、園児達がリュックサックを背負って登園してくるのが見えました。母さんに尋ねるとどうやら遠足のようです。
キッコはそっと園児達の後を付いていきますが…
感想
きつねのキッコと言えば、こいでやすこさんの作品を思い浮かべる方が多いと思いますが、こちらもまたこぎつねのキッコのシリーズとして出版されているまったく別の作品です。入手が困難になっているようなのですが、とても良質な作品なので機会があれば是非見ていただきたいです。古本屋さんで見かけたら迷わず買いをオススメします。
このキッコもシリーズ化されており、私は4作品を読みました。いずれも同じく深い味わいを持っており、どれをご紹介するか迷いました。
まだまだ小さくお母さん子のキッコが持ち前の好奇心から人間の幼稚園の楽しそうな様子に興味を持って近づき、園児達との直接の触れ合いはないものの何らかの痕跡から園児達はキッコの存在を何となく感じとり思いを馳せます。そんな基本のストーリーに加えて優しい母さんぎつねとキッコとの会話、園児達の唄、母さんぎつねの唄などの要素が絡み合って、叙情的で美しい作品になっています。まるで童謡の世界を絵本にしたかのような感じです。
ウチの子も気に入ったみたいで、最初に『うんどうかいのまき』を読んだら「残りのシリーズも全部読みたい」となりました。こどもも感情移入しやすいかと思います。またこどもだけでなくお父さんお母さんにも読んでいただきたいです。キッコや園児達の気持ちが伝わってきて何とも微笑ましく、気に入っていただけると思います。
絵がこれまたこれしかない!という感じの梶山俊夫さんです。
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