文 中村祥子
絵 はたこうしろう
発行 鈴木出版
初版 2001/6/
対象年齢 3歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 28
発行部数 不明
オススメ度 A

しりとりのだいすきなおうさま のあらすじ・内容


あるところにしりとりの大好きな王様がいました。この王様は何でもしりとりの順番に並んでいないと気が済まないのです。

特に家来たちが戦々恐々しているのが食事。これもしりとりの順番に料理が出てこなければならず、しかも最後は必ず王様の好きなプリンで締めくくらなければなりません。

ある日、王様がサンドイッチが食べたいと言ったので、サンドイッチから始まりちくわ(笑)と続きます。何しろしりとりの順に考えて慌てて作るもので厨房の中はてんてこ舞い。王様にゆっくり食べてくださいと頼みますが、王様はお腹が空いてるから早く早くと急かします。そうこうしている内に途中でラーメンを出してしまい、プリンまでいかなくなり大目玉をくらいます。弱った家来たちは一計を案じますが…

しりとりのだいすきなおうさま の解説・感想


これは名作


大人には何ということもないストーリーかと思いますが子どもにとってはこれは面白い絵本だと思いますよ。それほどメジャーではないですけど名作です。お話がシンプルでわかりやすくてページ数もそう多くなく、こどもにウケやすい本だと思います。『しりとり』と来れば子どもには鉄板ですしね。

しりとりを知ってる子もまだ知らない子も


しりとりを覚えたてのこどもが一番喜ぶかも知れませんが、しりとりを知らないこどもにこの本で楽しさを教えてあげるってのも手だと思います。ある程度モノの名前を覚えたら読んであげたい絵本です。

表紙、それから最初の見開き2ページ(王様は何でもしりとりの順じゃないと気が済まないということの説明の場面)の2ヶ所。ここでは言葉では何も書いてありませんが、王様の部屋に置かれているものが絵に書いてあって、それがちゃんとしりとりの順になっています。言葉で書いてないので、ある意味クイズのようでもあり、しりとりの楽しさを知らないこどもにはここで体験させてあげられるのではないかなと思います。

家来の逆襲も楽しい


家来達の逆襲の内容も(大人には何となく方法が想像がつくかと思いますが、この記事の最後にご紹介しますね)面白いです。ここもこどもが喜びそうな展開になっています。

このお話にぴったりの楽しい雰囲気の絵柄もいいです。

幼稚園・保育園での寸劇にも良さそうなお話。調べてみると実際に劇としてやられているケースもあるみたいですね。

その後のお話ですが…家来達は次の日の食事で、トマト→トースト→トマト→トースト→以下延々とループして料理を出します。王様は同じものの連続にとうとう音を上げて自分のわがままを反省するのです。単純ですけど、これは読者の子どもにウケそうです。