文 ヨシタケシンスケ
絵 同上
発行 ブロンズ新社
初版 2015/10/25
対象年齢 6歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 28
発行部数 不明
オススメ度 B

概要
ぼくはお風呂に入るために服を脱ぎ始めますが、途中で顔に服が引っかかってしまい、バンザイの格好でそれ以上脱ぐことも元に戻すこともできなくなってしまいます。

困り果てた末に、この状態で生活したらどうなるのだろうかと色々と妄想を働かせて、ついにはこのままで一生を過ごそうと悟りの境地に入りますが…

 

感想
ヨシタケシンスケ節炸裂の妄想絵本です。本作でも自由に妄想の世界を羽ばたいております。笑えるという点では個人的に今までの著者の作品の中で一番でした。アハハッていう笑いじゃなくて、クスッっていうタイプの笑いです。

大人ってのは普段常識的であるとか倫理的であるとかそういう規範に基づいた発言や行動を求められるせいなのか、いつの間にか自分で自分の発想力を鈍らせているように感じることがあります。(それとも単純に歳のせいか?汗。)こどもが今持っている柔らかい頭脳の能力を維持発展させていくには、多分存分に楽しみながら健全に妄想していくという経験が必要なんではないかという気がします。そういう点で絵本というのは大切なんでしょうね。この本も他の絵本とはまた違った角度からこどもの妄想を手助けしてくれるかも知れません。

対象年齢は悩んだ末に6歳からとしました。”自分で着替えができる”というお話からすると旬はもっと小さい時期だろうとは思いますが、このナンセンスな可笑しさを小さい子が理解できるかと言うとかなり難しいのではないかと思いました。小学生位が一番合ってるかも知れません。

本作は絵本という体裁をとってはいますが、漫画だと言ってもいい内容だと思います。発想が自由で豊かでオリジナリティがあるので私はこういう絵本もアリだと思っていますが、場合によっては否定的な印象を持つ方もおられるでしょう。