文 ニコラス・オールドランド
絵 同上
訳 落合恵子
発行 クレヨンハウス
初版 2011/12/15
対象年齢 8歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 30
発行部数 不明
オススメ度 B
概要
ヘラジカさんは友達が外で元気に遊んでいても、濡れるのが嫌だから、寒いのが嫌だから、といつもそれに混じらずに一人でいます。
でもヘラジカさんはそんな自分に「このままでいいのだろうか」と疑問を感じています。ではどうしたらいいのか、考えたり調べたりしましたが結局何も答えは見つかりません。
ある日ヘラジカさんは「考えてもわからないことを考えても仕方がない。とにかく何かやってみよう」と思い立ちます。そしてその時目の前にあったヨットで旅に出ることにします。
感想
なんとも爽快でワクワクするお話でした。なにしろ旅に出たヘラジカさんはいきなり嵐にあって難破してしまうのです。そこからもう普通の人では経験できないような冒険に突入していきます。冒険を終えて帰ってきたヘラジカさんはもう以前のような消極的な性格ではなくなっていました。
でもヘラジカさんは冒険の最中でも帰ってきた時でも朴訥とした表情は常に変わりません。それがとても可愛くもあり、また人間的に成長しても本来持っている素朴なキャラクターを失わずにいるところに好感が持てます。
消極的なお子さんにこの本を見せたら変わるかと言うとそんな単純な話にはなるはずはありませんが、なんと言いますか自分の未来にワクワクするような気持ちを心に灯してくれたらと思います。
大人が読んでも何かしら示唆するものがあろうかと思います。
この本は『人生を希望に変えるニコラスの本』というシリーズの第二作にあたります。第三作は『せかせかビーバーさん』という作品です。
このビーバーさんはヘラジカさんとは真逆で、よく考える前に行動してしまうのでいつも周りの人達に迷惑をかけてしまいます。それがあるキッカケで変わっていくというお話です。
こうなったらもうついでに第一作までご紹介しちゃいましょう(笑)。『ハグくまさん』です。
ハグくまさんは愛に溢れたクマです。何でもハグしてしまうのです。特に森の木が大好きでよくハグしています。ところがある日、森に木こりがやってきて木を切り倒そうとします。ハグくまさんはこの時初めて抱きしめたくない対象を木こりに見出します。さてハグくまさんはどうするでしょうか。
いずれもユーモアと包容力のある素敵な作品です。
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