文 松谷みよ子
絵 中谷千代子
発行 講談社
初版 2003/4/10
対象年齢 2歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 23
発行部数 不明
オススメ度 A

ちいさいモモちゃん3 あめこんこん のあらすじ・内容


モモちゃんが真っ赤な傘と長靴を買ってもらいました。モモちゃんはそれを身につけて遊びに行きたいのですが、雨が降っていないのでお庭で遊ぶことにします。

お庭で一人、雨降りごっこしていると、誰かが「入れて」とやってきました。

ちいさいモモちゃん3 あめこんこん の解説・感想


本作は昭和46年に発行された絵本の復刻版です。古い感じの絵柄です。講談社のモモちゃんシリーズには武田美穂さんが絵を描かれたものもあってそれも可愛いのですが、私は詩情を感じさせる本作の方が好みでした。

2歳位のこどもにちょうどいい位のお話の内容とボリュームです。でもシンプルな中にもモモちゃんのこどもらしい気持ち、楽しいサプライズなどが描かれていて中身は充実しています。傘と長靴が嬉しくて早く使いたい気持ちや、雨が降らないなら雨降りごっこしちゃおうという発想が微笑ましいです。モモちゃんにとっては傘と長靴を買ってもらったことが一大イベントなのでしょうね。こどもの過ごす時間って濃いなぁとあらためて感じました。

雨降りごっこの時にモモちゃんは「あめこんこん ふってるもん…」と(多分)唄うような調子で繰り返し唱えます。これがまた楽しい。松谷みよ子さんのあとがきにも書いてありましたが、読み聞かせる時に適当でいいので唄のような調子をつけて読んであげるといいと思います。

この復刻版シリーズは3作あります。他には『おばけとモモちゃん(おばけが欲しいモモちゃんが十円持っておばけを買いに行く話)』、『ルウのおうち(モモちゃんに意地悪をされておうちへ帰ったクマのぬいぐるみルウを探しに行く話)』があります。いずれも名作です。