著者 スティーブ&ルース・ベネット
訳 矢羽野薫
発行 ポプラ社
対象 幼児~小学生
子どもが育つ親子あそび365 の解説・感想
こどもが幼稚園くらいの頃、私はなるべくこどもと一緒に自分達で遊びの方法を考えて遊ぶように心がけていました。遊びを考えるということが頭を使い創造力を養うことになると思ったからです。私が遊びを考えると、こどもが「ここはこうした方がいい」とか「こんな遊びはどう?」とか自分で考えて言ってきたりして、実際これはなかなかこどもにいい経験になったかも知れないと思っています。
遊びを考えるに当たって私は、身の回りの物事すべてが遊びのヒントになるだろうからアイデアの源泉は無限にあると楽観的に考えていました。それは間違いではないと思いますが、でも新しい遊びを考え続けるのは実際なかなか大変なんです(汗)。だんだんアイデアが出にくくなっていきました。乾きかけた雑巾を無理やり絞るように(笑)遊びを考えるようになって、既成の遊び道具やおもちゃにも頼るようになっていきました。ところがこどもが小学校の3年生になって私より友達と遊ぶようになってきた今、この本を偶然見つけました。こんな本があったんですねぇ。この本では365種類もの遊びが説明されています。この本を読むと、まさに『身の回りの物事すべてが遊びのヒントになる』ということがわかります。私は全然甘かった。載っている遊びの殆どは誰もが知ってるような定番と言えるような遊びではなくて、まさに著者が自分で考えたのであろう遊びです。この本に出ている遊びをやっている内に大人もこどもも自分でも遊びを考えてみようという気持ちになるかも知れません。
この本の原題は『365 TV-FREE ACTIVITIES』。つまりこどもにテレビなんて見せるよりも、一緒に遊んだ方がこどもにとっていいですよ、という著者の考えに基づいて書かれています。もちろんテレビだって役に立つ面もあるでしょうが、見る方は一方的に受け取るだけであんまり頭を使わないで済むし、スキンシップもコミュニケーションもありませんからね。テレビに子育てさせるようなことはしたくないと私も思います。
そして肝心のこの本に載っている遊びの内容ですが、あんまり期待しすぎないでください。私は玉石混交だと思いました。正直言って「これって遊びとして面白いか?」って思うようなのも中にはあります。逆にこれはいい!というのもありましたよ。面白そうだったり、こどもにいい影響を与えそうだったり。遊びと言っても鬼ごっこのようにルールがあって何かを競いあったりするようなそういうゲーム的な遊びではなくて、何かを作ったり、何かにチャレンジしてみたり、学校の授業でもやるかもしれないなというような知的作業みたいなものも。たわいもないと言えばそうかも知れませんがこどもにとっては面白い体験になるというタイプの遊びがほとんどです。一つの例を上げますと『紙は何回まで半分に折れますか?』という遊び。ただ一枚の紙を何度も半分に折っていきます。でも絶対にある回数以上は折れないんですね。それを実際にやってみる遊びです。
この本をパラパラめくって良さそうな遊びを試してみるのもいいですし、この本を読むことで自分達で遊びを考えるヒントを得るという使い方でもいいかと思います。こどもの年齢は3歳位から小学校に入って計算ができないと遊べないようなものまで幅広くありました。