絵 オチアイトモミ
発行 ひかりのくに
初版 2012/3/
対象年齢 8歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 64
発行部数 不明
オススメ度 B

おんなのこのおえかきレッスン のあらすじ・内容


これは絵本ではありません。物語もありません。女の子のイラストを可愛く書くための練習帳のようなものです。

おんなのこのおえかきレッスン の解説・感想


これはなかなか面白い本(?)です。キレイな服を着た可愛い女の子の絵を描くのが好きな子、描きたいと思っている子は多いでしょう。この本はそんな子のために、上手に描く方法を教える練習帳です。

描こうとする絵は、漫画チックなキラキラした目の女の子。表情や髪型、ドレスに色んなバリエーションがあります。上記の表紙の絵にも左下の方にちょっとイラストが出ていますね。こんな感じです。

練習の方法はなぞり書きです。見本の薄い線に沿って鉛筆を走らせていきます。ちょっとしたアドバイスもところどころにありますが、基本的に描きながら覚えていく感じです。最初は顔の描き方、目の描き方から始まって、表情の描き方、ヘアスタイルの描き方と順に習得してきます。本書の最後の方には女の子を始めとして、動物や植物、食べ物、ファッションアイテム、王子様などのイラストのお手本シートがあり、ページの上に白い紙を乗せて透けて見えるお手本をなぞり書きできるという趣向です。

塗り絵でメイクやドレスに色付けするコーナーや、自分で自由にドレスをデザインして描くコーナーもあります。

この本を全部やればそこそこ上手なイラストが描けるようになりそうな気はします。もちろんある一定の書き方の真似事でしかないわけですが、これで自信がついたり、イラストを書くことの面白さを知れば、その後は自分でさらに成長していくのではないでしょうか。

さらにおまけのページもあり、心理テストやおまじないのコーナーがあります。心理テストはともかくおまじないに関しては「ちょっとなぁ」という感じ。お友達ができるおまじないとかあるんですが、嘘はいけませんね。

この本を活用するにはそれなりに絵を描く能力・経験があることという前提条件のようなものが必要になるかも知れません。あくまでも『それなりに』ですが。と言うのは、恐らく幼稚園・保育園の園児位だとちょっと難しいのではないかと思われるからです。この本に出てくるようなイラストを描くにはまず自分の手を細かいレベルで思い通りに動かす能力が必要です。また絵を描くということはその描く対象を脳の中でイメージできる必要があります。園児位のこどもが人物を描くと、頭にボサボサの髪が生えていて、手や足は一本づつの線で描かれるでしょう。それは人物に対するイメージが、髪があって手や足があってというレベルの認識しかできていないからだと思います。そのレベルから一足飛びに、手や指の太さや形とか、顔の表情とかに飛んじゃうのはやっぱり無理かなと思います。そんなことを考えてまあ8歳以上が適当ではないかなと思いました。因みにウチの子は8歳でこの本に出会いましたが、まだそう簡単にマスターできるような状況ではないです。でも楽しんでやってるようです。最初のページから順に勉強のようにやっていくのではなく、あくまで遊びで好きなページからやっているようですがそれでいいのだろうと思っています。