作 バージニア・リー・バートン
訳 いしいももこ
発行 福音館書店
初版 1978/3/20
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 40
発行部数 不明
オススメ度 A
ケイティーはキャタピラのついたとても力の強い真っ赤なトラクターです。パーツを取り付けることで色んな仕事ができます。ブルドーザーをつければ土を押すことができます。除雪器を取り付ければ、雪をかき分けることができます。
ケイティーは町の道路管理部で働いています。道路管理部の車両の中でも一番力があります。夏は道を直す仕事。冬は除雪車として働きます。
冬になり、雪が降るようになりました。他の車両が除雪に出動しますが、ケイティーはまだ待機しています。ケイティーが必要なほどの雪ではないからです。
積雪は15cm、そして25cmとなりそろそろケイティーの出番がやってきました。しかし雪はその後も降り続け、積雪1m、そして2階の窓まで達します。大雪で町は大変な状態になりました。誰も彼もが動けなくてじっとしています。
しかしそんな時、ただ一人ケイティーだけがもくもくと動いていました。
以前にご紹介した『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』と同じような話だろうと思ってずっとこの絵本手に取らなかったのですが…浅はかでした。同じ乗り物の本ですけど、ちゅうちゅうとはだいぶ違います。ちゅうちゅうも名作でしたけどこちらも別の意味でかなりの名作。私は子供の頃、ダンプカーの運転手になりたかったらしいのですが、もしもこの本を読んでいたらドハマリしただろうと思われます。
ケイティーのキャラクターはちゅうちゅうとはちょっと違っててて、とっても真面目でもくもくと働くんです。でもそれは大迫力というような表現ではなくて、絵の中ではケイティーはちっちゃく書かれてるんです。ケイティーも実物はホントは大きいんでしょうけど、すごい雪の中でしかも広い範囲を除雪するのでそのスケールに比べると相対的にちっちゃいんですよ。そんな小さな存在が大雪に負けずに「ちゃっ!ちゃっ!」と音を立てながら頑張ってるので、かわいいし思わず応援したくなるんです。
本の後半半分位はずっと除雪の様子の描写です。消防署やら飛行場やらあちこちで困ってる人がいるのをケイティーは一つ一つ助けて周ります。そして最後にケイティーが除雪したルートをを俯瞰する地図のような絵が見開きで1枚。ケイティー、すごく頑張ったね~と言いたくなるような場面です。視点が変わって俯瞰するというのは知的にいい刺激にもなる気がします。
その他にも細かく楽しい書き込みがいっぱいあります。例えば最初のケイティーの紹介のページでは、ページの端っこの周囲1周に渡って、馬力や機能などを説明する小さな絵がいくつも描かれています。馬力を説明するために馬が55頭描かれているのが可笑しい(笑)。道路管理部のページでは、所属する車両がやはりページを囲うようにいっぱい紹介されています。町の地図のページもあって、どこにどんな施設があるのか説明されています。これはさっき紹介した除雪履歴図ともあとで重なってきますね。他には除雪の様子を描写したページでは必ず東西南北が表示されています。とにかく細かいところまでサービス精神旺盛な作品です。
ケイティーって女性の名前ですよね。この本を紹介している英語のサイトを見てみたら、ケイティーを指して”she”が使われていたので、やはりそうなのでしょう。日本なら除雪車と言うとむしろ男性の方を選択しそうですが、アメリカの場合はまた違うのでしょうか。または作者の意図でそうしたのでしょうか。興味ありますがわかりませんでした。
訳 いしいももこ
発行 福音館書店
初版 1978/3/20
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 40
発行部数 不明
オススメ度 A
はたらきもののじょせつしゃけいてぃー のあらすじ・内容
ケイティーはキャタピラのついたとても力の強い真っ赤なトラクターです。パーツを取り付けることで色んな仕事ができます。ブルドーザーをつければ土を押すことができます。除雪器を取り付ければ、雪をかき分けることができます。
ケイティーは町の道路管理部で働いています。道路管理部の車両の中でも一番力があります。夏は道を直す仕事。冬は除雪車として働きます。
冬になり、雪が降るようになりました。他の車両が除雪に出動しますが、ケイティーはまだ待機しています。ケイティーが必要なほどの雪ではないからです。
積雪は15cm、そして25cmとなりそろそろケイティーの出番がやってきました。しかし雪はその後も降り続け、積雪1m、そして2階の窓まで達します。大雪で町は大変な状態になりました。誰も彼もが動けなくてじっとしています。
しかしそんな時、ただ一人ケイティーだけがもくもくと動いていました。
はたらきもののじょせつしゃけいてぃー の解説・感想
以前にご紹介した『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』と同じような話だろうと思ってずっとこの絵本手に取らなかったのですが…浅はかでした。同じ乗り物の本ですけど、ちゅうちゅうとはだいぶ違います。ちゅうちゅうも名作でしたけどこちらも別の意味でかなりの名作。私は子供の頃、ダンプカーの運転手になりたかったらしいのですが、もしもこの本を読んでいたらドハマリしただろうと思われます。
ケイティーのキャラクターはちゅうちゅうとはちょっと違っててて、とっても真面目でもくもくと働くんです。でもそれは大迫力というような表現ではなくて、絵の中ではケイティーはちっちゃく書かれてるんです。ケイティーも実物はホントは大きいんでしょうけど、すごい雪の中でしかも広い範囲を除雪するのでそのスケールに比べると相対的にちっちゃいんですよ。そんな小さな存在が大雪に負けずに「ちゃっ!ちゃっ!」と音を立てながら頑張ってるので、かわいいし思わず応援したくなるんです。
本の後半半分位はずっと除雪の様子の描写です。消防署やら飛行場やらあちこちで困ってる人がいるのをケイティーは一つ一つ助けて周ります。そして最後にケイティーが除雪したルートをを俯瞰する地図のような絵が見開きで1枚。ケイティー、すごく頑張ったね~と言いたくなるような場面です。視点が変わって俯瞰するというのは知的にいい刺激にもなる気がします。
その他にも細かく楽しい書き込みがいっぱいあります。例えば最初のケイティーの紹介のページでは、ページの端っこの周囲1周に渡って、馬力や機能などを説明する小さな絵がいくつも描かれています。馬力を説明するために馬が55頭描かれているのが可笑しい(笑)。道路管理部のページでは、所属する車両がやはりページを囲うようにいっぱい紹介されています。町の地図のページもあって、どこにどんな施設があるのか説明されています。これはさっき紹介した除雪履歴図ともあとで重なってきますね。他には除雪の様子を描写したページでは必ず東西南北が表示されています。とにかく細かいところまでサービス精神旺盛な作品です。
ケイティーって女性の名前ですよね。この本を紹介している英語のサイトを見てみたら、ケイティーを指して”she”が使われていたので、やはりそうなのでしょう。日本なら除雪車と言うとむしろ男性の方を選択しそうですが、アメリカの場合はまた違うのでしょうか。または作者の意図でそうしたのでしょうか。興味ありますがわかりませんでした。
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