作 谷川俊太郎
絵 和田誠
発行 サンリード
初版 1979//
対象年齢 4歳から 自分で読むなら小学校初級向き
文字の量 やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B

これはのみのぴこ のあらすじ・内容


最初はノミ(虫)の絵があって「これは のみの ぴこ」

次にページを開くと猫の絵があって「これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもん」

またページを開くと今度は猫の尻尾を踏んづける男の子の絵があって「これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもんの しっぽ ふんずけた あきらくん」

こうして『風が吹けば桶屋が儲かる』みたいに事物がつながっていって、それにつれて文が長くなっていくという言葉の遊びの絵本です。

これはのみのぴこ の解説・感想


遊び心いっぱい


遊び心いっぱいの楽しい絵本です。ストーリーがないので読者の子どもも最初の内はなんだこれ?みたいな感じだと思いますが、ページが進むにつれてこの本の狙いがわかってくると面白い!となると思います。

読み聞かせ向きの絵本


これは子どもが自分で読むよりも読み聞かせの方が断然楽しめるでしょう。山はもちろん文章が長くなってきた時。一気に早口で読むのもよし。これだともしかしたら子どもも覚えちゃって競うように声を合わせてくるかも。ゆっくり時間をかけて読むのもよし。これだとまだなの~?長いな~みたいな面白さがあります。息が続かなくてハアハア言いながら読むのもよし。お父さんお母さんがやっとこ読んでる姿は子どもが面白がるでしょう。結局どういう読み方をしてもそれなりの面白さが生まれるんじゃないですかね。

ナンセンスな面白さ


あと他に面白い点は、思いがけない方向へと話が進んでいくところ。最初はのみのぴこだったのが、この先では泥棒や市長、楽器のホルンまでが登場します。考えてみれば何でもありですもんね。発想・想像の面白さが味わえます。子ども同士の会話を聞いてても思いますけど、子どもってそういうナンセンスで突き抜けた発想がとても好きですよね。

和田誠さんの絵がピッタリ


そういう面白さを和田誠さんの絵がさらに増し増しにしてくれます。和田さんの絵って面白がらせようというようなあざとさがなくていっつも自然体な感じ。でもそこに何故かユーモラスな感じやシニカルな感じの味付けがされるんですよね。上品な表現が好きです。子どもにっても親しみやすい絵だと思います。

youtubeで検索すると、この本の読み聞かせの動画がいくつか見つかりました。著作権の問題はないのかな?。まあ本の内容を確認するにはいいかも知れません。でも子どもにはなんと言っても親御さんの読み聞かせが一番でしょう。

谷川俊太郎さんの携わった本は量もすごいし内容が多岐に渡ります。好奇心旺盛な人なんじゃないかなと感じます。他にも著書、訳書、その他関連絵本をご紹介しています。 → 谷川俊太郎