作 さとうわきこ
絵 二俣英五郎
発行 ポプラ社
初版 1978/6/
対象年齢 3歳から
文字の量 かなり少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 A

とりかえっこ のあらすじ・内容


ひよこがお母さんに「遊びに行ってくるよ」と言って出かけます。「ぴよぴよ」

途中でねずみさんに会い、鳴き声をとりかえっこすることにします。ひよこは「ちゅうちゅう」ねずみは「ぴよぴよ」になりました。

今度はブタさんに出会いました。また鳴き声をとりかえっこ。ひよこは「ぶうぶう」ぶたは「ちゅうちゅう」になりました。

そうして何度かさらに鳴き声をとりかえていって、ひよこの鳴き声は今、の「わんわん」になりました。

ところがそこへネコがやってきてひよこを食べよう襲ってきますが…

とりかえっこ の解説・感想


意表をついたアイデアに子どもが喜ぶ


単純なんだけど、こういう意表をついた常識をひっくり返したようなアイデアは子どもが喜ぶんですよね。しかも子どもの好きな繰り返しで構成されていて、アイデアは意外でワクワクさせながらも、わかりやすく安心して楽しむことができます。幼稚園や保育園でも人気の一冊みたいですよ。

最後のオチがツボだった


ネコが襲ってきたところがとりあえずのクライマックスではあります。この後どうなるか大人は何となく察しがつくことでしょう。でも、ここであ~よかったねという感じで終わるかと思いきや、この作品はここで終わらないんです。さらに最後のオチに向けてお話がちょっと残ってるんです。私はこのラストが妙にツボでした。亀と鳴き声を交換するんですけど、亀ってどう鳴くのよって思いますよね。まあどうなるのか是非絵本を手にとってお楽しみください。ここは読み方によっては子どもに大ウケするかと思います。この辺りはアイデアとユーモアはさすがさとうわきこさんだったと思いましたよ。

絵を見てると色々発見が


絵は昔話風の懐かしいような絵柄です。細かいところまで書き込まれていて、メインのキャラクター以外の部分も隅々まで見てみると面白い発見があったりしますよ。それとすべての絵に外枠があるのですが、その外枠の右下部分に本編には関係のないひよこのミニストーリーが描かれています。パラパラ漫画レベルの単純なストーリーですけど、これを子どもが発見したらこれはこれで喜ぶと思います。大人が教えるのでなく、子どもに見つけさせてあげてほしいです。

小さい子でも鳴き声を知ってさえいれば楽しめる


一応対象年齢は3歳からにしましたけど、どうぶつの鳴き声さえわかっていれば2歳でもなんら問題なく楽しめますよ。文章はすごく少なくてセリフのみですし、32ページあるけど全部見開き2ページで1枚の絵になってますから場面も多くはないんです。ひよこは「ぴよぴよ」、ぶたは「ぶうぶう」とか当たり前だという程度にわかってないと意外性が楽しめないでしょうから、そこが最低ラインです。ちなみにメインで出てくる動物はひよこ、ねずみ、ぶた、カエル、犬、ネコ、亀です。

この絵本が気に入っていただけたら、是非他のさとうわきこさんの作品もご覧になってください。 → さとうわきこで検索