作 エゴン・マチーセン
絵 同上
訳 せたていじ
発行 福音館書店
初版 1965/4/1
対象年齢 4歳から
文字の量 かなり少なめ~やや少なめ
ページ数 109
発行部数 不明
オススメ度 B
昔、青い目の子猫がいました。ある時、青い目の子猫はネズミの国を探しにでかけます。そうすればお腹を空かせることがなくなると考えたからです。
湖に着きました。大きい魚が一匹見えます。子猫はネズミの国がどこにあるのか訊いてみます。しかし魚は子猫の青い目を見て大笑いした上に水しぶきをかけて子猫をびしょ濡れにしてしまいました。
子猫は「こんなことなんでもないや」とまた道を急ぎます。途中で蝿を一匹捕まえました。子猫は何も食べないよりはましでした。
ここまでが第一章(本書では『1のまき』と表現)です。『7のまき』でお話は終わります。青い目の子猫がネズミの国を探す旅の顛末を描いた寓話的な絵本です。
一見すると絵本と言うよりも児童文学のような外観です。109ページもありますすしね。絵もすごくシンプルでいわゆる普通の絵本のように書き込まれたものではなく挿絵に近い感じです。でも文章量や文と絵のバランスなどはやっぱり絵本だと感じます。見開きで左側が文章、右側が絵という構成で統一されていて、文章も短いです。
この本を読み聞かせるかどうか検討する時に、やはりページ数の多さが気になるかと思います。感覚的にはこの本の3つの章を合わせて4歳位が楽しむ普通の絵本1冊位のストーリーのボリュームに相当するでしょうか。とすると、全体的には普通の絵本の2冊ちょっと位のボリュームがあることになります。でも7つの章に細かく分けられていてそれぞれ短くてあっという間ですし、見開きごとの文章が少なくてお話のテンポもいいのですいすい読み進められます。ほんの一言だけのページもいくつかあるんです。本に馴染みがない子でもなければそう問題になることもないと思います。
さて肝心のお話の内容ですが、基本的に子猫の冒険のお話です。怖そうな場面とかワクワクする場面とか、やったー!という場面とか、冒険にまつわる色んな場面が用意されています。でもあくまでも小さい子向けですから、大人が読んでドキドキするようなものではなく、どこかマイペースな雰囲気です。
子どもにとってこの子猫は勇気を与えてくれるような存在になりそうです。例えば上記のように魚にバカにされて水しぶきをかけられても、意に介さずにまた飄々と旅を続けます。その後のお話の中でもやはり青い目のことをバカにされることがありますが、自分で池に映った自分の顔を確認しやはり変じゃないと自分で判断して自信を持てるのです。また、蝿一匹しか食べられなくてもへこたれません。でも青い目の子猫はヒーローではありません。特別すごい能力を持ってるわけじゃないんです。でもそういう等身大の子猫がしっかりと地に足をつけて生きているということが、なんかいいんです。子どもにも伝わりやすいと思うんです。
物語の中盤位から5匹の子猫が現れます。彼らは目が黄色くて青い目の子猫をバカにしたり、猜疑心にとらわれていたりと人間の弱いところを体現しているような存在です。それが最後に青い目の子猫にネズミの国を教えてもらうと、途端に青い目の子猫を褒め称えます。読者にすれば今更なんだかな~という感じです。でもね。ふと思ったんですけ。青い目の子猫はしっかり自分を持っているから、この子猫たちの態度に「なんだかな~」なんて多分思ってはいないんだろうなと。
古い絵本です。親御さんの世代でも読んだ方がおられるんじゃないでしょうか。長く愛されてきて、今も普通に入手できるロングセラーです。
本書と同じような子どもの冒険を描いた絵本を他にもご紹介しています。→ タグ『冒険』
また、個性を持ったキャラクターを描いた絵本作品を他にもご紹介しています。是非こちらもご覧ください。 → タグ『個性』
絵 同上
訳 せたていじ
発行 福音館書店
初版 1965/4/1
対象年齢 4歳から
文字の量 かなり少なめ~やや少なめ
ページ数 109
発行部数 不明
オススメ度 B
あおい目のこねこ のあらすじ・内容
昔、青い目の子猫がいました。ある時、青い目の子猫はネズミの国を探しにでかけます。そうすればお腹を空かせることがなくなると考えたからです。
湖に着きました。大きい魚が一匹見えます。子猫はネズミの国がどこにあるのか訊いてみます。しかし魚は子猫の青い目を見て大笑いした上に水しぶきをかけて子猫をびしょ濡れにしてしまいました。
子猫は「こんなことなんでもないや」とまた道を急ぎます。途中で蝿を一匹捕まえました。子猫は何も食べないよりはましでした。
ここまでが第一章(本書では『1のまき』と表現)です。『7のまき』でお話は終わります。青い目の子猫がネズミの国を探す旅の顛末を描いた寓話的な絵本です。
あおい目のこねこ の解説・感想
一見すると絵本と言うよりも児童文学のような外観です。109ページもありますすしね。絵もすごくシンプルでいわゆる普通の絵本のように書き込まれたものではなく挿絵に近い感じです。でも文章量や文と絵のバランスなどはやっぱり絵本だと感じます。見開きで左側が文章、右側が絵という構成で統一されていて、文章も短いです。
この本を読み聞かせるかどうか検討する時に、やはりページ数の多さが気になるかと思います。感覚的にはこの本の3つの章を合わせて4歳位が楽しむ普通の絵本1冊位のストーリーのボリュームに相当するでしょうか。とすると、全体的には普通の絵本の2冊ちょっと位のボリュームがあることになります。でも7つの章に細かく分けられていてそれぞれ短くてあっという間ですし、見開きごとの文章が少なくてお話のテンポもいいのですいすい読み進められます。ほんの一言だけのページもいくつかあるんです。本に馴染みがない子でもなければそう問題になることもないと思います。
さて肝心のお話の内容ですが、基本的に子猫の冒険のお話です。怖そうな場面とかワクワクする場面とか、やったー!という場面とか、冒険にまつわる色んな場面が用意されています。でもあくまでも小さい子向けですから、大人が読んでドキドキするようなものではなく、どこかマイペースな雰囲気です。
子どもにとってこの子猫は勇気を与えてくれるような存在になりそうです。例えば上記のように魚にバカにされて水しぶきをかけられても、意に介さずにまた飄々と旅を続けます。その後のお話の中でもやはり青い目のことをバカにされることがありますが、自分で池に映った自分の顔を確認しやはり変じゃないと自分で判断して自信を持てるのです。また、蝿一匹しか食べられなくてもへこたれません。でも青い目の子猫はヒーローではありません。特別すごい能力を持ってるわけじゃないんです。でもそういう等身大の子猫がしっかりと地に足をつけて生きているということが、なんかいいんです。子どもにも伝わりやすいと思うんです。
物語の中盤位から5匹の子猫が現れます。彼らは目が黄色くて青い目の子猫をバカにしたり、猜疑心にとらわれていたりと人間の弱いところを体現しているような存在です。それが最後に青い目の子猫にネズミの国を教えてもらうと、途端に青い目の子猫を褒め称えます。読者にすれば今更なんだかな~という感じです。でもね。ふと思ったんですけ。青い目の子猫はしっかり自分を持っているから、この子猫たちの態度に「なんだかな~」なんて多分思ってはいないんだろうなと。
古い絵本です。親御さんの世代でも読んだ方がおられるんじゃないでしょうか。長く愛されてきて、今も普通に入手できるロングセラーです。
本書と同じような子どもの冒険を描いた絵本を他にもご紹介しています。→ タグ『冒険』
また、個性を持ったキャラクターを描いた絵本作品を他にもご紹介しています。是非こちらもご覧ください。 → タグ『個性』
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