文 ジェイン・ヨーレン
絵 マーク・ティーグ
訳 なかがわ ちひろ
発行 小峰書店
初版 2003/6/25
対象年齢 4歳から
文字の量 かなり少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B

きょうりゅうたちのおやすみなさい のあらすじ・内容


恐竜の部屋にお父さんが部屋に入ってきて「もう寝なさい。」

さて恐竜は…

ステゴサウルスは知らんぷりして尻尾で床を叩き始めます。

プテラノドンはクマのぬいぐるみを投げちゃったり、

トラコドンは「もっとご本を読んで!」と駄々をこねたり。

色んな恐竜の駄々っ子ぶりが紹介されます。

きょうりゅうたちのおやすみなさい の解説・感想


夜になかなか寝ない子どもを風刺


この絵本の献辞にこう書かれています。
ねるまえに きょうりゅうになる うちの マディソン・ジェインとアリスン・イザベルへ
ジェイン・ヨーレン

これでこの絵本の意図は何となくおわかりいただけるかと思います。寝る時間なのに言うことを聞かない子どもを恐竜の姿を借りて風刺したような絵本です。

恐竜の親子ではありません。お父さんお母さんは人間ですし、舞台も人間の子どもの部屋です。ただ子どもが恐竜として描かれています。恐竜は部屋に入れる位ですから赤ちゃんサイズかも知れませんね。それでもやっぱり表紙をご覧になってわかる通りどう考えてもベッドが小さすぎますし、大人の人間に比べてもかなり大きいです。

恐竜達は実にリアルに子どもの姿を演じてくれてるので、バツの悪い思いをする読者の子どももいるかな。自分が実はこんなだとは気づかずに他人事のように笑っちゃう子もいるかも知れませんね(笑)まあ教育的な意味合いが多分に含まれていますね。本書の最後の方では、お父さんお母さんの言うことを素直に聞いていい子で寝んねしようとする恐竜達の姿もいくつか描かれて、お母さんにぎゅっとしてもらってキスをして幕を閉じます。

恐竜好きっ子にはたまらない


私も子どもの頃、大の恐竜好きでした。男の子ならそういう子は多いでしょう。私と同じように恐竜大好きのお子さんにはこの絵本は喜ばれるでしょうね。恐竜を使ってはいますがあくまでも子どもが駄々をこねる様子を描いているものなので、表情はコミカルですよ。怖い感じではないです。でも見開き2ページのスペースをいっぱいに使って描かれていてこれがなかなかの迫力があります。生き生きと描かれているので生命感もあります。恐竜は全部で10種類。大体有名なやつですが、私は2種類ほど知らない恐竜がいました。見返しのところに登場する恐竜が一覧で紹介されています。

対象年齢は4歳からにしました。出版社の小峰書店のサイトでは5・6歳からとなっていました。恐竜が好きで、いつも素直に寝てくれない子なら(笑)いくつでもいいかと思います。