作 ジョン・バーニンガム
訳 みつよしなつや
発行 ほるぷ出版
初版 1976/9/20
対象年齢 2歳から
文字の量 かなり少なめ~やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B

ガンピーさんのふなあそび のあらすじ・内容


ガンピーさんは川のそばの家に住んでいます。そしてを一艘持っています。

ある日、ガンピーさんは船に乗って出かけました。

そこへ子ども達がやってきて「一緒に連れてって」ガンピーさんは「いいとも。喧嘩さえしなけりゃね」

次にうさぎがやってきて「一緒に行っていい?」ガンピーさんは「いいとも。飛んだり跳ねたりしなけりゃね」

その次にネコがやってきて「あたしも乗りたいなあ」ガンピーさんは「いいとも。うさぎを追い回したりしなけりゃね」

こうしてさらに犬、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、仔牛、ヤギも船に乗りました。みんな「xxxしなけりゃね」とガンピーさんに言われて。

しばらくはみんな楽しそうに川を下っていました。ところがその内子ども達は喧嘩を始めるし、うさぎはぴょんぴょん跳び回り、ネコはうさぎを追いかけ、とみんな勝手な事をし始めます。

そして、とうとう…

ガンピーさんのふなあそび の解説・感想


表紙をご覧になるとわかるように、作者の爽やかな絵柄が水辺の雰囲気を感じさせてくれます。

ガンピーさんは次々にいろんな動物と出会います。動物がたくさん出てくるだけで楽しいです。そしてその都度小さい子どもの好きな繰り返しの会話で楽しませてくれます。でも単純な繰り返しではないんですね。それぞれの動物の性格の違いが反映されているので飽きさせないです。

ご想像できると思いますが、最終的にはみんな船から落水してしまいます。でもガンピーさんは「ほれ見たことか!だから言ったじゃないか!」と私達親が言いそうなセリフで怒るような事はしません。土手に上がって体を乾かした後に、みんなをお茶の時間に招待するのです。そして最後には「また いつか のりにおいでよ」と見送ります。この落水の事件は夏の楽しい一時の中の驚きと笑いの一イベントであって、ここから然るべき教訓を得よとかいう風に無粋には描かれないんですね。大人の私からしたらガンピーさん偉いなぁって思いますけど、「そんなこたぁ子どもには関係ない」とジョン・バーニンガムさんが言ってるような気がします。

ほるぷ出版のサイトでは、本書は2・3歳からとなっていました。32ページあってちょっと長いような気もしますが、ほとんど見開き2ページで1セットになっていますから、ボリュームはそう感じないと思います。話の骨子は『ぞうくんのさんぽ』と一緒でシンプル。ただ動物の数が多いのとガンピーさんが各々に「xxxしなけりゃね」と言うのが増えてるだけですから。

本作は、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞しています。