
作 岸田衿子
絵 にしむらあつこ
発行 福音館書店
初版 2009/7/10
対象年齢 3歳から 自分で読むなら小学校初級向き
文字の量 かなり少なめ~やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B
ぐぎがさんとふへほさんはとっても仲良し。一緒に暮らしています。でも二人の家ではいつも事件が起こっているんです。
ぐぎがさんが入り口のドアを押すと、ドアにぐぎがさんの形の穴が空いていしまいます。
ふへほさんはお腹がすくと、浮かんでしまうのです。そんな時はお腹を紐でしばってどこかにつないでおきます。
ぐぎがさんはそっと寝ないとベッドにも穴が空いていしまいます。床に落ちてそのまま寝ていることも。
ふへほさんが猫を抱くと、猫が行ってしまってもふへほさんの体が猫の形に凹んでしまってるんです。
ぐぎがさんは四角いフライパンで四角いホットケーキをガチガチに固く焼き、それをガリガリ食べてしまいます。
ふへほさんの作るホットケーキは風船みたいに膨らんで浮かんでしまいます。ふへほさんもお腹が空いてて浮かんでしまい、浮かんだまま浮かんだホットケーキを食べます。
そんな不思議な二人が、猫と一緒に海へ釣りに出かけました。さて何が釣れるんでしょう。
ぐぎがさんは、『固い』『重い』『角ばってる』の象徴。ふへほさんは、『柔らかい』『軽い』『丸っこい』の象徴。見た目もそんな感じです。それぞれの個性が極端に表れた数々のおかしなエピソードでお子さんを笑わせてくれるユーモアたっぷりの楽しい作品です。
ぐぎがさんもふへほさんも、話す言葉もちょっと(というかだいぶ)おかしいんです。一度聞いただけでは何を言ってるのか読者はわからないかも知れません。ぐぎがさんが話す言葉はいわば『ぐぎが語』。ふへほさんが話す言葉は『ふへほ語』。こういうのは子どもが喜びますね。これを解読するのは一種のクイズのようでもあり、そういう楽しみ方もできると思います。この『ぐぎが語』『ふへほ語』は子どもでも真似できそうな一定の法則(厳密じゃないけど別に厳密じゃなくてもいいでしょう)があるので、普段の会話をこれらの言葉に置き換えて話す真似もできるでしょう。それで、何を言ってるのか当てるというような遊びもできると思います。それにしてもこの二人は一緒に住んでいてどうやって会話しているのか??言葉は違ってもお互いの言うことがわかるから問題ないのかな。
また、作中で二人がある歌を歌うのですが、私は最初それが適当な歌だとばかり思ってましたけど、ぐぎがさんとふへほさんの後に猫が同じ歌を替え歌(これもまたなかなか面白い)で歌ってて、それでやっと誰でも知ってるような有名な歌が元であることに気づきました。この有名な歌もぐぎがさんが歌うと『ぐぎが語』になっちゃうし、ふへほさんが歌うと『ふへほ語』になっちゃうんです。読み聞かせの際、お子さんと一緒にそれぞれのバージョンを歌うのも楽しいと思いますよ。お子さんが知ってる他の歌も『ぐぎが語』『ふへほ語』で歌って楽しむという遊びもできますね。
ぐぎがさんもふへほさんも考えられないような思い切り変なモノを釣り上げるんですけど、ふたりとも特に驚きもしなければガッカリもしないし、いきなり歌を歌い出すし、釣れたモノをそのまま持って帰っちゃうし、とにかく最初から最後までのほほんとしてマイペースな摩訶不思議ワールドが展開します。一緒についてくる猫もいい味出しています。
このお話には特に教訓のようなものはありません。高尚な芸術性もありません。心揺さぶる感動もありません。でもこんな風に純粋に楽しむ絵本って好きだしすごくいいと思います。子どもの絵本はまず楽しめることが一番!。こんなに楽しい事があるっていうことを子どもが知ることが、もしかしたら教訓と言えるのかも知れませんね。それにこの絵本は何物にもとらわれない自由な発想を肯定し謳歌しています。これが子どもにいい影響を与えないはずがないと思いますよ。
にしむらあつこさんのゆる~い絵が、まさにこのお話にピッタリです。最後のページの絵では、猫が「またにゃー」って読者に向けて手を振ってて、こういう細かいところにもサービス精神があっていいですね。裏表紙のさりげない絵もとてもかわいいです。
それにしてもこの絵本唯一の欠点。『ぐぎが語』も『ふへほ語』も読み聞かせるのに口が疲れます(汗)
実は本作には『ぐぎがさん、ふへほさん、おつきみですよ』という続編があります。でも雑誌『こどものとも』で発表されただけで単行本としては出てないみたいです。雑誌は古本なら入手できるみたいです。また、地元の図書館にでもあれば是非借りてみたいですね。
岸田衿子さんの絵本作品を他にもご紹介しています。この絵本が気に入ったらこれらもどうぞご覧ください。 → 『かばくん』『ジオジオのかんむり』『スガンさんのやぎ』
絵 にしむらあつこ
発行 福音館書店
初版 2009/7/10
対象年齢 3歳から 自分で読むなら小学校初級向き
文字の量 かなり少なめ~やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B
ぐぎがさんとふへほさん のあらすじ・内容
ぐぎがさんとふへほさんはとっても仲良し。一緒に暮らしています。でも二人の家ではいつも事件が起こっているんです。
ぐぎがさんが入り口のドアを押すと、ドアにぐぎがさんの形の穴が空いていしまいます。
ふへほさんはお腹がすくと、浮かんでしまうのです。そんな時はお腹を紐でしばってどこかにつないでおきます。
ぐぎがさんはそっと寝ないとベッドにも穴が空いていしまいます。床に落ちてそのまま寝ていることも。
ふへほさんが猫を抱くと、猫が行ってしまってもふへほさんの体が猫の形に凹んでしまってるんです。
ぐぎがさんは四角いフライパンで四角いホットケーキをガチガチに固く焼き、それをガリガリ食べてしまいます。
ふへほさんの作るホットケーキは風船みたいに膨らんで浮かんでしまいます。ふへほさんもお腹が空いてて浮かんでしまい、浮かんだまま浮かんだホットケーキを食べます。
そんな不思議な二人が、猫と一緒に海へ釣りに出かけました。さて何が釣れるんでしょう。
ぐぎがさんとふへほさん の解説・感想
ぐぎがさんは、『固い』『重い』『角ばってる』の象徴。ふへほさんは、『柔らかい』『軽い』『丸っこい』の象徴。見た目もそんな感じです。それぞれの個性が極端に表れた数々のおかしなエピソードでお子さんを笑わせてくれるユーモアたっぷりの楽しい作品です。
ぐぎがさんもふへほさんも、話す言葉もちょっと(というかだいぶ)おかしいんです。一度聞いただけでは何を言ってるのか読者はわからないかも知れません。ぐぎがさんが話す言葉はいわば『ぐぎが語』。ふへほさんが話す言葉は『ふへほ語』。こういうのは子どもが喜びますね。これを解読するのは一種のクイズのようでもあり、そういう楽しみ方もできると思います。この『ぐぎが語』『ふへほ語』は子どもでも真似できそうな一定の法則(厳密じゃないけど別に厳密じゃなくてもいいでしょう)があるので、普段の会話をこれらの言葉に置き換えて話す真似もできるでしょう。それで、何を言ってるのか当てるというような遊びもできると思います。それにしてもこの二人は一緒に住んでいてどうやって会話しているのか??言葉は違ってもお互いの言うことがわかるから問題ないのかな。
また、作中で二人がある歌を歌うのですが、私は最初それが適当な歌だとばかり思ってましたけど、ぐぎがさんとふへほさんの後に猫が同じ歌を替え歌(これもまたなかなか面白い)で歌ってて、それでやっと誰でも知ってるような有名な歌が元であることに気づきました。この有名な歌もぐぎがさんが歌うと『ぐぎが語』になっちゃうし、ふへほさんが歌うと『ふへほ語』になっちゃうんです。読み聞かせの際、お子さんと一緒にそれぞれのバージョンを歌うのも楽しいと思いますよ。お子さんが知ってる他の歌も『ぐぎが語』『ふへほ語』で歌って楽しむという遊びもできますね。
ぐぎがさんもふへほさんも考えられないような思い切り変なモノを釣り上げるんですけど、ふたりとも特に驚きもしなければガッカリもしないし、いきなり歌を歌い出すし、釣れたモノをそのまま持って帰っちゃうし、とにかく最初から最後までのほほんとしてマイペースな摩訶不思議ワールドが展開します。一緒についてくる猫もいい味出しています。
このお話には特に教訓のようなものはありません。高尚な芸術性もありません。心揺さぶる感動もありません。でもこんな風に純粋に楽しむ絵本って好きだしすごくいいと思います。子どもの絵本はまず楽しめることが一番!。こんなに楽しい事があるっていうことを子どもが知ることが、もしかしたら教訓と言えるのかも知れませんね。それにこの絵本は何物にもとらわれない自由な発想を肯定し謳歌しています。これが子どもにいい影響を与えないはずがないと思いますよ。
にしむらあつこさんのゆる~い絵が、まさにこのお話にピッタリです。最後のページの絵では、猫が「またにゃー」って読者に向けて手を振ってて、こういう細かいところにもサービス精神があっていいですね。裏表紙のさりげない絵もとてもかわいいです。
それにしてもこの絵本唯一の欠点。『ぐぎが語』も『ふへほ語』も読み聞かせるのに口が疲れます(汗)
実は本作には『ぐぎがさん、ふへほさん、おつきみですよ』という続編があります。でも雑誌『こどものとも』で発表されただけで単行本としては出てないみたいです。雑誌は古本なら入手できるみたいです。また、地元の図書館にでもあれば是非借りてみたいですね。
岸田衿子さんの絵本作品を他にもご紹介しています。この絵本が気に入ったらこれらもどうぞご覧ください。 → 『かばくん』『ジオジオのかんむり』『スガンさんのやぎ』
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