
著者 高口里純
発行 双葉社
初版 2013/10
対象 赤ちゃん~小学生
『花のあすか組!』で有名な高口里純さんのマンガです。(そういえば本書でも意外なアクションシーンがありましたよ。)元々、JOURすてきな主婦たちという大人の女性向けの漫画雑誌に連載されていたものです。育児に関連した内容であるため取り上げていますが、専門のいわゆる育児本ではありませんのでご注意ください。
ミス・フタバ・アデラ・リードは33歳の日系英国人。ノーランド・カレッジ出身で、世界に十人もいないと言われるスーパー・ナニーの称号を持つ保育と教育のスペシャリスト。ダナ国のクシュリナ王女の乳母であったが、王女のかわいいいたずらで秘宝の首飾りを盗んだという濡れ衣をきせられ国際指名手配に。現在は日本に来ている。日本で偶然であった子どもや親子の悩みを持ち前の知識と技量で解決しながら逃亡を続ける。とまあ、こんな概要です。主人公のフタバが過剰なほどに丁寧な言葉遣いで、古風な英国風の出で立ちに、アクションもこなせるなどミステリアスなところもあってマンガ的なキャラクターが面白いです。そして内容はコミカルとシリアスがほどよく混じっています。説教臭くもないし、ベテランの手堅いマンガとして楽しめますよ。
本書を読むと。子どもへの接し方、言葉を大切にするという事、自己肯定感について、怒りがちな自分を抑える方法など子育てに関するノウハウや気付きを得られると思います。お母さんはもちろん、お父さんもいくつかの気づきを得ることになると思いますよ。「母親が幸福であることがすべてのベイビーにとって望ましいこと」←グサッと来ました(汗)
全4巻の内、第1巻には4話が収録されています。1話目は、一週間後に夫の実家で行われるパーティーを控えた母と4歳の娘が登場。名家の夫実家とは疎遠で、今回始めて義父母に会うのですが、そのような場で普段ガサツな娘が恥ずかしくない振る舞いができるかと悩んでいます。
2話目は、赤ちゃんを抱えたシングルマザーが登場。赤ちゃんの父親は大企業の社長の息子でしたが、事故で死亡。元々二人の交際に反対だった社長家族は、息子の死後、後継ぎとして赤ちゃんを渡すように要求しています。赤ちゃんを渡したほうがいいのではないかと彼女は悩んでいます。
3話目はタレントと実業家として多忙な母親とその子ども達3人兄妹が登場。長男は、自分たち子どもが邪魔な存在なのだと感じています。母親も表のタレントの顔とは違い、家では子どもに怒ってばかりの自分に悩んでいます。
4話目は、庶民的なキャラクターと役柄で人気のある子役女優とそのマネージャーが登場。ハリウッド映画のプリンセス役最終オーディションに残ったが、プリンセスという役柄と本来のキャラクターとのギャップに悩んでいます。
このように、お話の概要を見てみると、一般的な家庭にいる自分たちとは世界が違う話であまり役にも立たないのではないかと思われる方が多いかも知れませんが、実は読んでみるとそうではないことがわかります。ここで語られる事はセレブかどうかというような環境には左右されない、どこにでも通用する真理です。フタバがよく使う決めゼリフに「教育は環境ではございません。人ですわ」というのがあるんですけど、そういう事だと思います。
育児のためのマンガではないと思いますので、育児のためにこれを読もうという動機ですと、物足りないと思います。専門の育児書に比べたらノウハウの密度は比べ物になりません。でも育児の息抜きにマンガを読む位の感じならば、楽しみながら気づきも得られていいと思いますよ。マンガというのは、大上段に構えたり、理屈で理解させようというところがないのがいいですね。わかりやすくて、お話を楽しんでいる内に自然に大事なことが吸収されていきます。育児書を読んでも実行の段となるとなかなかすぐにはいかないと思いますが、マンガだとモデルが目の前に現れますから行動にも反映されやすいのではないでしょうか。
あとがきに書かれていましたが、作者自身も二人のお子さんを持つお母さんみたいです。「えらそうな子育て漫画を描いてしまい、すいません…。すいません。すいません。」(すいませんの字が段々小さくなってく。笑)と書かれていました。一人のお母さんとして悩み苦しみながら子育てをしてきた経験と反省がこの作品にも含まれているのかなと思うと、作品に親近感が湧いてきました。「子育て、プチ・失敗…」と書かれてるのがなんとも可笑しい。
本作は新品の紙の書籍としては入手が困難です。中古市場ならチラホラ出品されているようです。上の表紙イラストは、電子書籍の楽天Kobo版の購入ページにリンクされています。電子書籍はパソコンやタブレットに無料アプリを入れれば閲覧できます。スマホでも見られないことはないですが、画面が小さいのでかなり見づらいだろうと思います。
発行 双葉社
初版 2013/10
対象 赤ちゃん~小学生
紅のメリーポピンズ の解説・感想
育児本ではないですよ
『花のあすか組!』で有名な高口里純さんのマンガです。(そういえば本書でも意外なアクションシーンがありましたよ。)元々、JOURすてきな主婦たちという大人の女性向けの漫画雑誌に連載されていたものです。育児に関連した内容であるため取り上げていますが、専門のいわゆる育児本ではありませんのでご注意ください。
あらすじは
ミス・フタバ・アデラ・リードは33歳の日系英国人。ノーランド・カレッジ出身で、世界に十人もいないと言われるスーパー・ナニーの称号を持つ保育と教育のスペシャリスト。ダナ国のクシュリナ王女の乳母であったが、王女のかわいいいたずらで秘宝の首飾りを盗んだという濡れ衣をきせられ国際指名手配に。現在は日本に来ている。日本で偶然であった子どもや親子の悩みを持ち前の知識と技量で解決しながら逃亡を続ける。とまあ、こんな概要です。主人公のフタバが過剰なほどに丁寧な言葉遣いで、古風な英国風の出で立ちに、アクションもこなせるなどミステリアスなところもあってマンガ的なキャラクターが面白いです。そして内容はコミカルとシリアスがほどよく混じっています。説教臭くもないし、ベテランの手堅いマンガとして楽しめますよ。
このマンガを読むと得られる気付き
本書を読むと。子どもへの接し方、言葉を大切にするという事、自己肯定感について、怒りがちな自分を抑える方法など子育てに関するノウハウや気付きを得られると思います。お母さんはもちろん、お父さんもいくつかの気づきを得ることになると思いますよ。「母親が幸福であることがすべてのベイビーにとって望ましいこと」←グサッと来ました(汗)
描かれる内容
全4巻の内、第1巻には4話が収録されています。1話目は、一週間後に夫の実家で行われるパーティーを控えた母と4歳の娘が登場。名家の夫実家とは疎遠で、今回始めて義父母に会うのですが、そのような場で普段ガサツな娘が恥ずかしくない振る舞いができるかと悩んでいます。
2話目は、赤ちゃんを抱えたシングルマザーが登場。赤ちゃんの父親は大企業の社長の息子でしたが、事故で死亡。元々二人の交際に反対だった社長家族は、息子の死後、後継ぎとして赤ちゃんを渡すように要求しています。赤ちゃんを渡したほうがいいのではないかと彼女は悩んでいます。
3話目はタレントと実業家として多忙な母親とその子ども達3人兄妹が登場。長男は、自分たち子どもが邪魔な存在なのだと感じています。母親も表のタレントの顔とは違い、家では子どもに怒ってばかりの自分に悩んでいます。
4話目は、庶民的なキャラクターと役柄で人気のある子役女優とそのマネージャーが登場。ハリウッド映画のプリンセス役最終オーディションに残ったが、プリンセスという役柄と本来のキャラクターとのギャップに悩んでいます。
このように、お話の概要を見てみると、一般的な家庭にいる自分たちとは世界が違う話であまり役にも立たないのではないかと思われる方が多いかも知れませんが、実は読んでみるとそうではないことがわかります。ここで語られる事はセレブかどうかというような環境には左右されない、どこにでも通用する真理です。フタバがよく使う決めゼリフに「教育は環境ではございません。人ですわ」というのがあるんですけど、そういう事だと思います。
マンガならではの良さがある
育児のためのマンガではないと思いますので、育児のためにこれを読もうという動機ですと、物足りないと思います。専門の育児書に比べたらノウハウの密度は比べ物になりません。でも育児の息抜きにマンガを読む位の感じならば、楽しみながら気づきも得られていいと思いますよ。マンガというのは、大上段に構えたり、理屈で理解させようというところがないのがいいですね。わかりやすくて、お話を楽しんでいる内に自然に大事なことが吸収されていきます。育児書を読んでも実行の段となるとなかなかすぐにはいかないと思いますが、マンガだとモデルが目の前に現れますから行動にも反映されやすいのではないでしょうか。
作者もお母さん
あとがきに書かれていましたが、作者自身も二人のお子さんを持つお母さんみたいです。「えらそうな子育て漫画を描いてしまい、すいません…。すいません。すいません。」(すいませんの字が段々小さくなってく。笑)と書かれていました。一人のお母さんとして悩み苦しみながら子育てをしてきた経験と反省がこの作品にも含まれているのかなと思うと、作品に親近感が湧いてきました。「子育て、プチ・失敗…」と書かれてるのがなんとも可笑しい。
新品の紙の書籍としては入手困難
本作は新品の紙の書籍としては入手が困難です。中古市場ならチラホラ出品されているようです。上の表紙イラストは、電子書籍の楽天Kobo版の購入ページにリンクされています。電子書籍はパソコンやタブレットに無料アプリを入れれば閲覧できます。スマホでも見られないことはないですが、画面が小さいのでかなり見づらいだろうと思います。
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