著者 篠原信
発行 朝日新聞出版
初版 2018/2/28
対象 乳幼児~中学生


子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法 の解説・感想


本書は子どもが自主的に楽しんで「学ぶ」ことができるようになるために、
大人がどういう関わり方をしていけばよいかを解説する本です。

著者の篠原信さんは農学博士・研究者であり、水耕栽培では不可能とされていた
有機質肥料の使用を可能にする技術を開発された方です。

ところが一方で子どもの教育に関しても情報発信をされています。
それは、大学入学後に10年間塾を主宰、中学高校の不登校児や学習障害児、
非行少年などを積極的に引き受け、向き合ってきたという異色の経歴から
来ているようです。

著者は、こう言います。
私は「勉強」は嫌いですが、「学ぶ」のは大好きです。
著者のスタンスはこの言葉に凝縮されています。人は本来好奇心をもって
自ら学んでいくことに喜びを感じるもの。その状態へと子どもを導いていく
方法を説くのがこの本書です。

本書の子どもの対象年齢を私は「乳幼児~中学生」としました。
学習の意欲を引き出すという意味では、小学生~中学生くらいが
メインの対象になろうかと思います。
しかし実は乳幼児期のことも本書には最初の方で触れられています。
そもそも著者の言わんとする好奇心と学ぶ意欲は、すでに乳幼児期から
子ども自身を成長させる原動力になっているということが示されていて
小さい時期の育児にも参考になろうかと思います。

目次をご紹介します。

第一部 好奇心が湧き出る泉をつくる
  第1章 「不思議」は学ぶ意欲の源泉
  第2章 学ぶ意欲の基礎になる「自己肯定感」
第二部 意欲はどう育てる?
  第3章 ほめる・叱る・そそのかす・楽しむ
  第4章 やる気を損なう注意点
  第5章 意欲を引き出すコツ
第三部 やわらかくしなやかな地頭を育む
  第6章 具体的な教え方
  第7章 創造性・グリット・見渡す力

こんな具合です。ほとんどがQ&Aの形式で書かれており、Qは48まであります。

例えばQ15は「ごほうびで子どものやる気を引き出すのはどうですか?」。
Q22は「小学校3年生になって、すっかり勉強嫌いになりました」。

塾やご自身の育児経験をもとに、いろんな具体的ケースへの対応方法が書かれています。

因みに、著者のnoteは子育てに関わる記事が時折見られるのでご覧になるといいですよ。
shinshinohara note

このブログで以前も著者について書いた記事があります。
【子育てマンガ】家裁の人

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